「ターゲットを決めましょう」と言われても、正直どうやって決めたらいいのかわからない。
なんとなく「女性向け」「主婦」「30代〜40代」…それっぽく設定してみたけど、発信も商品も、どこかぼんやりしている。
そんな状態で集客がうまくいくはずがありません。
ターゲットがあいまいなままだと、あなたの投稿も商品も、誰にも刺さらない“自己満足”になってしまいます。
でも逆に、「この人に届けたい」と明確に決めることができれば、言葉の選び方も、伝え方も、発信の軸も一気に整ってくるのです。
この記事では、初心者でも実践できる「ターゲットの作り方」を、ステップごとにわかりやすく解説していきます。
「誰に届けるのか」が見えた瞬間、あなたのビジネスは確実に前へ進み始めます。
ターゲットとペルソナの違いを理解しよう
「ターゲット」は属性、「ペルソナ」は具体像
「ターゲットとペルソナって、何が違うの？」とよく聞かれます。
結論から言うと、ターゲット＝大枠の属性、ペルソナ＝1人の具体的な人物像です。
たとえば「40代主婦」はターゲット。でも、「東京都在住、子ども2人、小学校のPTAに悩んでいる40歳女性で、週3パート勤務」はペルソナ。
つまり、ターゲットが“どの層に届けるか”を決めるものなら、ペルソナは“その中の代表1人を描く”もの。
大枠だけだと発信はぼやけるし、細かすぎても現実からズレやすい。
まずは属性（ターゲット）を決めてから、その中の具体的な1人（ペルソナ）を想像するのが効果的です。
どちらが必要か？優先すべき順番は？
先に結論を言うと、優先すべきは「ターゲット」→次に「ペルソナ」です。
いきなり細かいペルソナ設定をしようとしても、ベースのターゲットがブレていたら意味がありません。
ターゲットは「どの市場で勝負するか」を決める基盤。そこを決めずにペルソナを練っても、発信の方向性がズレてしまいます。
逆に、ターゲットが明確になった上で、そこから「この人の暮らしや悩みは？」「どんな未来を望んでいる？」と掘り下げていけば、自然と刺さる発信ができるようになります。
焦って“理想のお客様像”を作りこむよりも、まずは土台のターゲットから固めていきましょう。
ターゲットを設定する3ステップ
現在のお客様 or 自分の過去を分析する
ターゲット設定でいちばん確実なのは、「既に反応してくれている人」または「自分の過去」をベースにすることです。
特に起業初期や教室業の場合、「自分の経験」や「これまでの悩み」から出てくるサービスであることが多いため、過去の自分を助けたいと思える人こそがターゲットになりやすい。
また、すでに体験・購入してくれた人の特徴を見直すことで、「どんな人に響いているか」がはっきり見えてきます。
ここを飛ばして、“なんとなく理想の客層”を作っても、現実とズレていることが多いです。
まずは身近な事例から見直すのが、最短の近道です。
課題・悩み・理想の未来を言語化する
誰に届けるかを決めたら、その人が「今どんなことで悩んでいて」「どんな未来を望んでいるか」を、具体的な言葉にするステップです。
たとえば、「集客ができない」では曖昧すぎる。
「インスタ投稿を毎日頑張っているのに、フォロワーも増えず申し込みゼロ。どうしたらいいかわからない」まで落とし込むことが大事。
さらに、「家にいながらレッスンが満席になる未来を望んでいる」まで言語化できると、その人に刺さる言葉が自然と選べるようになります。
悩みと願望をセットで言語化する。
ここがズレると、どれだけ頑張っても「誰にも響かない発信」になります。
年齢・性別・ライフスタイル・価値観を絞る
最後に、具体的な属性を絞り込みます。
年齢・性別はもちろん、「平日フルタイム勤務か、扶養内パートか」「SNSは何を使っているか」など、ライフスタイルを細かく想像することで、発信の精度が一気に上がります。
ここで重要なのが、「届けたい人を1人に絞る勇気」。
最初から全員に売ろうとすると、誰にも響かなくなります。
たとえば、「40代・子ども2人・パート勤務・SNSはInstagramのみ・土日は家族優先」など、具体的な条件があると、言葉の選び方も変わってくるはず。
“この人のために書く”と決めることが、最も強い集客の一歩です。
4. 「なんとなく設定」では響かない｜よくある失敗例
ざっくりしすぎて誰にも刺さらない
「30代〜50代の女性」「主婦や会社員」など、広すぎるターゲット設定をしてしまうと、誰の心にも届きません。
なぜなら、30代と50代では悩みも価値観も全く違うからです。
年齢だけでくくっても、「今その人が何に悩んでいて、どんな暮らしをしているか」が見えていなければ、発信は空振りします。
大事なのは、“幅広く届ける”ではなく、“ひとりに深く届ける”こと。
その深さが共感を生み、結果的に広がっていくのです。
まずは「この1人だけに刺さる発信をする」と決めてみてください。反応の質が変わってきます。
理想ばかりで現実とズレている
よくあるのが、「こういう人に来てほしい」「こういう人に売りたい」という“理想のお客様”を先に作りすぎてしまい、実際のニーズと大きくズレているパターンです。
たとえば、「向上心があって自分に投資できる女性」と設定しても、実際にはそこまで意識が高い人ばかりではないのが現実。
ギャップがあるまま商品を作ると、「全然売れない」「読まれない」原因になります。
理想を描くのは大事ですが、現実のユーザーとの接点を無視してはいけません。
リサーチや実際の反応を元に、リアルな悩みや状況に目を向けましょう。
自分が提供したいものだけで考えている
「私はこれが得意だから」「これを売りたいから」という視点だけでターゲットを設定すると、自己都合の押し売りになりがちです。
たとえば、「私はパン作りが好きだからレッスンをしたい」だけで商品を作っても、「それを誰が求めているか」を考えていなければ、共感も反応も得られません。
商品やサービスは、“届けたい人の悩みを解決するもの”である必要があります。
相手のニーズと、自分の提供したいことの交差点を探すこと。 そこが「売れる設定」の起点です。
5. 迷ったらここから｜ターゲットを作るときの質問リスト
ターゲット設定がうまくいかない理由のひとつは、考えるべきポイントが絞れていないからです。
そんなときは、以下のような質問に答えていくことで、自然と“届けたい人”の輪郭が見えてきます。
「この人は何に困ってる？」
→日常でどんな小さな不満や不安を抱えているか？
例：「時間がない」「何から始めたらいいかわからない」「家族に応援されない」
「何を達成したいと思ってる？」
→本当はどうなりたいと思っているのか？
例：「子育てしながらでも収入を得たい」「家族に褒められたい」「憧れの人みたいになりたい」
「どんな言葉に反応する？」
→どんな表現や言い回しに“私のことだ”と感じるのか？
例：「忙しいママでも」「フォロワー0からでも」「がんばらなくても自然に集まる」
「情報収集はどこでしている？」
→普段どのSNSやメディアを使って情報を得ているのか？
例：Instagram、Pinterest、YouTube、Google、LINEオープンチャット
「どんな未来をイメージしている？」
→その人が商品・サービスを手に入れた先に、どんな生活を思い描いているか？
例：「レッスンが満席になって自信が持てる」「自分らしく働きながら家族とも笑顔で過ごせる」
この質問リストに答えていくだけでも、ターゲットの具体像がぐっと明確になります。
設定に迷ったときは、まず「自分の頭の中を書き出す」ところから始めてみてください。
よくある質問（FAQ）
まとめ｜ターゲットは“売るため”ではなく“届けるため”に作る
売上が伸びない、反応がない、何を発信したらいいかわからない。
その原因は、「誰に届けたいのか」がぼんやりしていることがほとんどです。
ターゲットを明確にするのは、売るためのテクニックではありません。
“この人に必要なことを、必要な形で届ける”ための設計図です。
あなたが届けたいサービスや想いが、本当に必要な人に届くかどうかは、最初の「誰に向けて書くか」にすべてかかっています。
商品や発信は、その人の人生を少しでも変える可能性があるものです。
だったら、曖昧なままにしておくのはもったいない。
誰に届けるかを真剣に考えることは、自分のビジネスと、本気で向き合うということ。
まずはひとりの顔を思い浮かべて、その人のためだけに言葉を届けるところから始めてみましょう。
